078-360-0115
対応時間
9:00~17:00
定休日
土・日・祝日

認知症の家族が書いた遺言書の有効性はどう判断される?/神戸あかり法律事務所

神戸あかり法律事務所 > 相続 > 認知症の家族が書いた遺言書の有効性はどう判断される?

認知症の家族が書いた遺言書の有効性はどう判断される?

遺言書は故人の意思を伝える重要な手段ですが、認知症になった後に作成した遺言書の法的な有効性が問題となることがあります。

本記事では、認知症の家族が作成した遺言書がどのように判断されるのかを解説します。

 

 

遺言の要件

 

遺言書には自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言などの種類があり、それぞれ必要とされる形式を満たす必要がありますが、遺言者が無効とならないためには、これらの形式的な要件に加え、遺言者自身に遺言能力(民法963)があったかどうかという要件を満たす必要があります。

遺言能力とは、財産を誰にどう分けるかなど遺言者が自身の行為の意味や結果を理解し、判断できる能力をいいます。

 

 

認知症の程度と遺言能力の関係

 

認知症と診断されても、認知症の症状や進行度によって遺言能力の有無は異なります。

認知症の症状が軽度で、遺言の内容や財産分与について理解し、判断できる状態であれば、遺言能力があると認められ、遺言書は有効となる可能性があります。

また、認知症には症状の波があり一時的に判断能力が回復する期間もあります。

このような判断力が回復した時期に作成された遺言も、意思能力が認められれば有効と判断される可能性があります。

 

 

認知症の家族が書いた遺言書の有効性はどう判断される?

 

認知症の家族が作成した遺言書の有効性を判断するに際しては以下のような段取りを経る必要があります。

 

  • 遺言作成時点で遺言者に意思能力があったかの確認
  • 医師の診断書や介護記録など作成時の精神状態を検討するための証拠収集
  • 弁護士の関与や公証役場での公正証書遺言が作成されたなど、遺言書に第三者の関与があったか否かの確認

 

 

有効かどうかを判断する際の注意点

 

遺言の内容が特定の相続人に不自然に偏っている場合や、遺言者の生前の意思と明らかに異なる内容である場合は、遺言能力の有無について慎重な検討が必要です。

後々のトラブルを防ぐためには、専門家などの第三者の立ち会いや遺言書作成時の状況を客観的に記録することが望ましいです。

 

 

家庭裁判所で遺言書の有効性が問題になった場合

 

自筆証書遺言など、公正証書遺言以外の遺言書は、内容を実現するために原則として家庭裁判所での検認手続きが必要ですが、この検認手続きの際に遺言書の有効性に疑いがある場合、利害関係人は家庭裁判所に遺言無効確認訴訟を提起できます。

この訴訟で、裁判所はあらゆる証拠を総合的に評価し、遺言作成時に遺言能力があったか、遺言書の有効性について最終判断を下すことになります。

 

 

まとめ

 

認知症の家族が遺言書を作成する際は、さまざまな配慮が必要です。

有効な遺言書を作成し、トラブルを防ぐためには、遺言能力の判断に詳しい弁護士や司法書士などの専門家に相談しながら進めることをおすすめします。

当事務所が提供する基礎知識

  • 相続放棄と限定承認、どち...

    相続では、故人の借金などの債務も引き継ぐことになります。ただし、限定承認や相続放棄の制度を利用することで、相続人の財産を...

  • 任意売却

    不動産の任意売却を行う際には、弁護士ではなく、ご自身で行うことが原則となります。しかし、任意売却の場面においては、希望の...

  • 交通事故の示談交渉を弁護...

    交通事故に遭ってしまい、相手方や保険会社との示談交渉が必要になった際、どのように進めれば良いのか不安に感じる方も多いでし...

  • 相続における寄与分とは?...

    ◆寄与分とは?相続における寄与分とは、相続人が被相続人の財産の管理や増加に関して大きく貢献をしている場合や、被相続人の看...

  • 相続人・特別受益・寄与分...

    人が亡くなると相続が起こりますが、遺言がある場合には遺言に沿って、遺言がない場合には民法によって、遺産分割が進められるこ...

  • 連れ子の相続権

    ■相続権が認められる範囲人が亡くなると相続が発生しますが、亡くなった方(被相続人)の財産を受け取る権利を持っている人のこ...

  • 建物明け渡し・立ち退き

    不動産の売買や賃貸においては、建物の契約を結んだあとに建物を明け渡す、立ち退いてもらうことでようやくすべての契約が履行さ...

  • 玉突き事故は誰に責任があ...

    玉突き事故の責任は多くの場合、最初に衝突した車にありますが、例外もあります。今回の記事では「玉突き事故は誰に責任があるか...

  • 【オーナーさん必見】家賃...

    現在、家賃の値上げを考えていらっしゃるオーナーの方は、すでに賃貸借契約を締結している方からの同意を得るにはどうすれば良い...

  • 相続放棄

    遺産相続で受け継ぐものとしてよくイメージされるのは、ご自宅や土地、現金などのプラスの財産ですが、借金などマイナスの財産も...

よく検索されるキーワード

所属弁護士紹介

交通事故・遺産相続に強い弁護士が、最善の解決方法を提案いたします。 一人で悩まずお気軽にご相談ください。

所属弁護士

松原 由尚(まつばら よしひさ)

仲谷 仁志(なかたに ひとし)

大島 智子(おおしま ともこ)

所属団体
兵庫県弁護士会
ごあいさつ

当ホームページをご覧いただきありがとうございます。 兵庫県神戸市、芦屋市、明石市、西宮市を中心に、滋賀県、奈良県、大阪府、京都府、和歌山県にお住まいの方から交通事故、相続などの法律相談を承っています。

法律問題の解決には、悩みを抱えている方のご状況をしっかりと把握することが重要と考えていますので、じっくり時間をかけて丁寧にお話しをお伺いすることを心がけています。

お困りの際は費用面など気になさらずお気軽にご相談ください。どうぞよろしくお願いいたします。

事務所概要

名称 神戸あかり法律事務所
所属 兵庫県弁護士会
所在地 〒650-0027 兵庫県神戸市中央区中町通2-3-2 三共神戸ツインビル11階
電話番号/FAX番号 TEL:078-360-0115 / FAX:078-360-0116
対応時間 9:00~17:00
定休日 土・日・祝

ページトップへ