自賠責保険の被害者請求
一般的に、自動車が交通事故を起こし他人の生命または身体に損害が生じた場合、自動車の運行供用者は損害賠償責任を負います(自動車損害賠償保障法3条)。つまり交通事故の被害者は損害賠償請求を自動車運行供用者に対して有するといえます。
ただ、運行供用者が治療費を出せない場合も考えられます。そこで、強制的な賠償責任保険制度(自賠責保険)を導入しています。これにより、加害者に代わり保険会社が賠償金を補填するという形をとります(同法11条1項)。
また、交通事故の被害者は保険会社に対して交通事故で被った被害分の損害賠償請求をすることができます(自動車損害賠償保障法16条1項)。この被害者請求は加害者請求と比べて被害者自らが書類を用意しなければならないなど、手続き面で複雑ですがメリットもあります。
交通事故が起きた場合、単なる骨折だけでは済まない場合があります。それは眼底骨折や慢性硬膜下血腫後遺障害が残る場合です。単なる骨折の場合は、骨折にかかった治療費を割り出すだけで良いですが、後遺障害の場合は損害がどの程度なのかを被害者が請求する時点で明確にすることができないのが問題となります。
そこで、後遺障害等級認定が制度化されています。これは、後遺障害の度合いにより支払われる慰謝料が決まるという制度です。加害者請求の場合はこの認定は保険会社が自動的に割り出しますが、被害者請求の場合は書類を自分で用意している分手続きの透明性が確保されています。
このように、自賠責の被害者請求は手続き面で不慣れな部分はあるかもしれませんがその分メリットもあります。
神戸あかり法律事務所は自動車事故に関して、被害者のサポートに努めています。自動車事故について、ご相談があればお気軽にお問い合わせください。