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遺産の使い込みが発覚した場合の対処法とは/神戸あかり法律事務所

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遺産の使い込みが発覚した場合の対処法とは

遺産の使い込みが発覚した場合には、即座に対処することが大切です。
しかし、実際にどのように対処をすれば良いのかわからないといったご相談をいただきます。

本記事では、遺産の使い込みが発覚した場合の対処法について解説をしていきます。

 

◆使い込んだ遺産を取り戻すには
いくら相続対象の遺産が減少していたということが判明したとしても、実際に無断で使い込まれたという証拠が必要となります。

証拠としては以下のようなものが例として挙げられます。


・被相続人の預金口座の取引履歴
・被相続人の株式の取引明細書
・被相続人所有不動産の売買契約書
・賃料が入金されていた被相続人名義の通帳、取引明細書

 

もっとも以上のような証拠が揃っていた場合であっても、遺産を取り戻すことができない場合があります。
遺産を取り戻す際には、遺産を使い込んだ相続人に対して不当利得に基づく返還請求もしくは不法行為に基づく損害賠償請求をすることとなります。

 

上記請求をした場合であっても、使い込んだ相手が返還や賠償をするお金が場合には、現実的に取り戻すことができない可能性があります。

そこで、遺産の使い込みが少しでもあると判断した場合には、被相続人名義の預金口座を凍結させる必要があります。

また、現実的に回収が不可能になることを未然に防止するために、使い込みをしている人物の預金口座も仮差押えをしなければなりません。

遺産の使い込みが判明した場合に、即座に対処しなければならないのはこれが理由となります。

 

また、取り戻そうとしても、時効が成立してしまっている可能性もあります。
不当利得返還請求については、民法166条により権利が発生したときから10年、もしくは権利を行使することができることを知った時から5年のいずれかで消滅時効が完成する可能性があります。

 

不法行為に基づく損害賠償請求の場合であれば、民法724条により、被害者が損害及び加害者を知った時から3年、もしくは不法行為の時から20年が経過していた場合には、消滅時効が完成する可能性があります。

後者の不法行為の時からというのは、最後に預金の引き出しを行った日などから判断をすることとなります。

基本的にはどちらでも請求することができますが、この時効の関係などから請求をする側に有利な請求で主張をすることとなります。
一般的には、不当利得の方が不法行為よりも時効が成立しにくいものとなっているため、不当利得による主張をすることが多くなっています。

 

◆実際に遺産を取り戻す方法


●使い込んだ相手との話し合い
まずは使い込んだとされる人物と直接話し合いをすることで遺産の返還を求めます。その際には、上記で示したような証拠資料を示すと良いでしょう。
なお、使い込んだ人物が相続人である場合には、その人物にも法定相続分があるため、その分を差し引いた割合の額を返還することとなります。
使い込んだ人物が相続人以外の場合は、使い込んだお金を全て返還する必要があります。

 

遺産分割調停
遺産分割調停とは、相続人全員が参加することで、相続財産の分割方法を決定するための調停手続きとなっています。

もっとも遺産が使い込まれてしまっている場合には、分割方法を話し合うことが難しいため、以下の規定により、相続財産が存在するものとみなすことができます。

民法906条の2は、遺産の分割前に遺産に属する財産が処分された場合についての規定となっています。

第1項では共同相続人の全員により処分された財産が分割時の遺産として存在するものとみなすことができるようになっています。
そして第2項では、共同相続人の1人または数人により財産が処分されたときには、処分をした相続人の同意を得る必要がないとされています。

そのため、使い込みによって遺産がなくなっていたとしても、共同相続人の全員の同意があれば、遺産が存在するものとして遺産分割をすることが可能となっています。

 

●訴訟
相手と直接話し合いをしても、返還に応じなかったり、使い込みを断固として否定する場合には、訴訟を起こすこととなります。

先ほどの説明でもありましたが、遺産の使い込みが判明した場合には、不当利得返還請求か不法行為に基づく損害賠償請求をすることとなります。

不当利得とは、法律上の原因なく利益を得ることを指します。そして利益を得ることによって、他人に損失を及ぼしてしまった場合には、その利益を返還する義務が発生します。
遺産を無断で使い込む行為は、相続人が本来得るはずであった財産に損失を及ぼす行為であるため、不当利得に該当します。

また、遺産の使い込みは不法行為に該当します。不法行為とは違法な行為によって相手に損害を与えることであり、遺産を無権限で使い込む行為は違法な行為と判断されます。

 

この両者は択一的なものであるため、両方の請求をすることで、本来相続する予定だった金額についての二重取りをすることができなくなっています。

 

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