物損事故
自転車事故、自動車事故などの交通事故により、自分が所有する自転車や自動車などの財産が損害を受けた場合に、物損事故が発生します。今回は、具体的に⑴物損事故とは何か、⑵物損事故では損害賠償請求をすることができるのか、について見ていきましょう。
⑴物損事故とは何か
物損事故とは、交通事故が生じて物のみが損害を受けた事故のことです。通常の交通事故では人が傷害などを被ることも少なくないのです。人が傷害などを受けた場合に交通事故は「人身事故」として見なされます。
⑵物損事故では損害賠償請求をすることができるのか
物損事故は人身事故よりは軽いものと見なされるのが一般的ですが、自分が所有(利用)する物が損害を受けている以上、損害賠償請求をすることができます。
具体的には、
①車の修理代や代車費用
②レッカー車の費用
③商店やガードレールに突っ込んだ場合は、店舗やガードレールの修復費用
などが物損事故の損害賠償の内容に含まれます。
やはり、人身事故と比べると請求できる内容が少なくなる印象を持ちます。
例えば、「この車はとても思い入れがあったのに傷モノにされたから精神的な苦痛を強いられた」のような主張はできないわけです。つまり物損事故では慰謝料(精神的損害。民法710条)を請求することができません。
以上、物損事故を見ていきましたがどうも物損事故に基づく損害賠償は加害者に対して「甘い」ものだと言わざるを得ません。人身事故との判別は難しいので、事故の後に痛みが出てきた場合、事故から10日以内に警察に届け出れば人身事故となります。人身事故となるには医師の診断書などが必要になってきます。