死亡事故
交通事故でご家族がお亡くなりになった場合、加害者(事故を起こした人)に対して損害賠償請求(慰謝料請求も含む)をすることができます。今回は家族が死亡したときに⑴どのようなときに損害賠償請求をすることができるのか、⑵損害賠償の相場はあるのかなどを見ていきたいと思います。
⑴どのようなときに損害賠償請求をすることができるのか
交通事故による損害賠償の場合、加害者に対して重い責任(危険責任)が問われ、逆に被害者への厚い保護が確保されます。自動車損害賠償責任保険制度はその現れといえるでしょう。
具体的には、①運転者に不注意があったり、②被害者や運転者以外の第三者に加害意図や事故を止められた余地がなかったり、③自動車が正常に動作していたりした場合に入院費や慰謝料を請求することができます(自動車損害賠償法3条)。
⑵損害賠償の相場はあるのか
では、死亡事故に基づく損害賠償の相場はあるのでしょうか。
この問いに答えるために、まずは損害賠償の主な項目を見ていきましょう。
次のようになります。
①葬儀関係費用
②生きていれば得られたはずの収入などの財産
③慰謝料
④(裁判をした場合の)弁護士費用
①葬儀関係費用は原則150万円
②生きていれば得られたはずの収入などの財産は被害者の都合によります。
③慰謝料(死亡慰謝料)は被害者が一家の大黒柱の場合は2800万円、妻・母の場合は2500万円、子どもなどその他の場合は2000万円〜2500万円が相場となります(『民事交通事故訴訟損害賠償算定基準』)。
④弁護士費用は請求認容額の1割程度が弁護士費用となります。
これらを加味して損害賠償の相場が決定されます。
保険会社が提示する賠償金額と③を比べると③よりも低い基準を提示していることがあります。このようなときは是非弁護士に相談していきましょう。